口腔疾患と全身の健康
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口腔ケアは、歯の健康や美しさだけに関係するわけではありません。全身の健康にも関係しています。

たとえば、糖尿病の人は糖尿病でない人に比べ、むし歯の発症率が高いことが示されています。糖尿病は、特に歯周病と深い関係にあると考えられおり、歯周病の進行に伴って糖尿病の罹患率が高まり、重度の歯周病では糖尿病の発症が強まる可能性があることが報告されています。

糖尿病になると、口の中が乾燥しやすくなることから、唾液による自浄作用が低下して、歯肉に炎症が起こりやすくなったり、高血糖によって細菌に対する抵抗力が低下することなどが示されています4)。また、歯周病になると、インスリンが働きにくくなり、血糖コントロールを悪くすると考えられています5)。歯周病と糖尿病は、相互に悪い影響を与え合っているわけです。

糖尿病だけではありません。口腔ケアは肺炎との関係も深いとされています。それは、肺炎患者の肺を調べると、口の中の細菌が検出されるからです。歯周病菌など口の中の細菌が多い状態になっていると、食道に入るべき飲食物が気管に入る誤嚥(ごえん)を起こした際に、その細菌が肺に入り、肺炎を起こしやすいのではないかと考えられています6)。

このほか、メタボリックシンドロームや脳卒中、認知症など、さまざまな病気と歯周病との関係が研究されています7)。

このように、むし歯や歯周病は、全身の健康状態の悪化を招きます。美しく健康な人生を送りたいと考えている人は、口腔ケアに関心を持ち、むし歯や歯周病を予防したり、早めに治療したりすることがとても大切なのです。

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